哲学者たちのワンダーランド 様相の十七世紀
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内容紹介
デカルト、スピノザ、ホッブズ、ライプニッツ。この大哲学者たちには教科書ではとうていわからないアブなさと魅力がある。2+3=5なのは、神がそうしたからであって、2+3=6の世界だって神は創造できるのだ、と、デカルトは本気で考えた。この世の現実はぜーんぶ神でできている、とスピノザはいう。何かを行為したら、後からそのつもり(意志)はなかったとは言わせない、というのがホッブズの国家論。神と国家の哲学とは。
十七世紀は、大哲学者の時代、といわれます。その中でも代表的なのが、デカルト、スピノザ、ホッブズ、ライプニッツです。
デカルトは、「近代哲学の父」と称され、「われ思う、ゆえにわれあり」は、あまりにも有名です。スピノザは、「神即自然」と言いました。聞きようによっては、無神論にもみえる、なかなか危険な哲学です。ホッブズは、国家を考え、社会契約説を打ち出しました。ライプニッツは、モナドという独特のアイデアから巨大な哲学を構築しました。
それぞれ大哲学者であることは、衆目の一致するところですが、著者は、この4人に、深い連関を見て取ります。
それまで自明だった世界の底が抜けて、足元の支えがふっと消えてしまった世紀。それが十七世紀の本質であって、哲学もまた、底が抜け、「無限」が口を開いている。宇宙の無限、神の無限。
そのような事態に、どのようにして彼ら4人は、立ち向かっていったのか。
それを読み取ることは、もっともスリリングな哲学的営為ではないか。
明快な文章で、4人の大哲学者の本質にせまる力作。
目次
- 序 世界の底が抜けたとき
- 第一部 デカルト
- 確実性に取り憑かれて
- 無根拠なる支えとしての神
- 第二部 スピノザ
- 「現実」を作ってみる
- 精神は自分の外にいる
- 第三部 ホッブズ
- 哲学はシミュレーション
- 約束という暴力
- 第四部 ライプニッツ
- スピノザの崖っぷちから引き返す
- ここが最善世界であるかのように
製品情報
製品名 | 哲学者たちのワンダーランド 様相の十七世紀 |
---|---|
著者名 | 著:上野 修 |
発売日 | 2013年11月22日 |
価格 | 定価 : 本体1,800円(税別) |
ISBN | 978-4-06-218707-7 |
判型 | 四六 |
ページ数 | 288ページ |
初出 | 講談社の月刊PR誌『本』に、2010年7月から2012年7月にかけて「様相の十七世紀―哲学史のワンダーランド」として連載したものをもとにしたもの。 |
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