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ベンヤミンの<問い>

未曾有の知の大陸への孤独な旅に出たオム・ド・レトル(文の人)。暗号のような文章、謎めいたことばに秘められた意味とは……。認識、歴史、暴力、倦怠そして根源史とは……。「近代」という悪夢からの目覚めを試みたベンヤミン。歴史哲学の光が、その可能性を「救済」するとき、彼のアクチュアリティーは、次の時代へと通じていくだろう。

【目次】
序章 ベンヤミンのアクチュアリティー
第一章 認識の方法
  はじめに
1 いくつもの方法序説
2 六つの不変
3 『パサージュ論』おける展開
第二章 歴史と歴史家の形象
  はじめに
1 パサージュとしてのベンヤミン
2 いくつかの歴史家像
3 死者の希望
第三章 暴力と崇高
  はじめに
1 解体する世界
2 運命・法・神話
3 二つの「力」
4 法を越えて
第四章 倦怠論
  はじめに
1 倦怠としての存在
2 近代の刻印
3 ファンタスマゴリー論
第五章 根源史の概念
  はじめに
1 ゲーテ的原現象
2 レヴィ=ストロースの構造主義
3 イデアとモナド
4 廃物の星座と物語の作法
5 形象的思考による救済
参考文献
あとがき
索引