「ヘーゲルを総理大臣に!」既刊・関連作品一覧

ヘーゲルを総理大臣に!

認め合い。誇り。自由。新しい生き方が見つかる本。私たちが日頃の悩みをつぶやいたら、突拍子もない物語が始まった。生きる不安がみるみる消えていく、21世紀の必読書! 日本国民の皆さん、私がヘーゲルです。ひょんなことから日本の総理大臣になってしまいました。なぜ200年も前の近代ドイツの哲学者が総理大臣なのかと思われるのも当然でしょう。しかしそれは、皆さん自身が望んだことなのです――!


あの近代哲学の大物・ヘーゲルがいきなり日本の総理大臣に就任しているという、あり得ない設定で幕を開け、著者の周りに集まった若い人たちが人間と社会の真実を知ることを目指して議論し、新しい生き方を見つけていきます。

低成長、貧困化、就職難などが原因となって息が詰まる思いで暮らしている若い人たちが、人生の悩みを著者にぶつけます。自分はとてもちっぽけな存在で、誰からも相手にされず、したがって責任も負わず、自由の代償に社会から疎外され、夢も誇りも持てないと思い込んでいます。でもそれは錯覚で、解決方法を国家や他人に一方的に求めて失望しているだけではないか? と著者は問題提起します。真実は逆で、個人がどう生きるかが、新しい社会と国家を作り上げるのです。「社会に積極的にかかわる生き方=社会の作り方」。この考えはヘーゲルが200年前に提示していました。私たちは生きていると同時に生かされている。ほんとうに自由な人生とは、他人と互いに認め合い、支え合い、誇りを持ち合えることから生まれる。そんな大切なことを思い出させ、生きる不安がみるみる消えていく本なのです。

目次
プロローグ ヘーゲルの総理就任演説
第1部 みんなのつぶやき――対話編
 第1章 貧乏人は救うべきか?
 第2章 なぜ働くのか?
 第3章 欲求を満たすことがいいことなのか?
 第4章 個人はちっぽけか?
 第5章 まともな人間でないとダメなのか?
 第6章 家族に意味なんてあるのか?
 第7章 地域のおつき合いは必要なのか?
 第8章 国家なんているのか?
 第9章 政治にかかわる必要があるのか?
 第10章 僕らは本当に自由なのか? 
第2部 もしヘーゲルが総理大臣だったら――講義編
 第11章 認め合うこと
 第12章 つながること
 第13章 生きること
エピローグ ヘーゲルを総理大臣に!

<著者紹介>
小川仁志(おがわ・ひとし)。1970年京都市生まれ。徳山工業高等専門学校准教授。京都大学法学部卒、名古屋市立大学大学院博士後期課程修了。博士(人間文化)。商店街で「哲学カフェ」を主宰するなど、市民のための哲学を実践している。専門はヘーゲルをはじめとした欧米の政治哲学。