「柳田国男と事件の記録」既刊・関連作品一覧
ある一家心中事件をめぐって生み出されたいくつかの言説。法の言説と新聞報道。「新四郎さ」そして「山に埋もれたる人生ある事」。事件の季節は入れ替わり、新たな動機が付与される。柳田はその独特の方法をもって何を語ろうとしたのだろうか。事実とは……。そしてその記録が描きだそうとした歴史の意識とは……。本書は、社会記述の方法をめぐるスリリングな論考である。
【目次】
序文
第一章 抽象する視線
1 無方法と内省
2 抽象する視線
3 可変性の形象
4 幻覚の正体
第二章 可視性の場
1 像の記述
2 距離の感覚
3 像のなかに消える女
4 物語のディスクール
第三章 描かれた構図
1 人間の自然
2 ある記録
3 事件の構図
4 文体の可視性
第四章 事件の現場
1 動機の暗転
2 春と秋
3 事件の報道
4 事件の現場と説話空間
5 記述の焦点
註
文献案内
あとがき
索引
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