精読 アレント『人間の条件』

講談社選書メチエ
セイドクアレントニンゲンノジョウケン
  • 電子あり
精読 アレント『人間の条件』
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内容紹介

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目次

はじめに――地球からの脱出と「人間の条件」の変容

序 章 マルクスと西洋政治思想の伝統
1 古典的政治哲学の成立
2 ソクラテス――自己の内なる対話
3 存在への問いとプラトン
4 近代の転換――ヘーゲルからマルクスへ
5 自然と人間の物質代謝

第I章 観照的生活と活動的生活
1 アウグスティヌスと古代世界の没落(第2節)
2 不死と永遠(第3節)

第II章 公的なものと私的なもの
1 アテナイにおける古典的ポリスの成立(第4節)
2 古代における公私の区分(第5節)
3 社会的なるものの勃興(第6節)
4 公的領域の光の喪失(第7節)
5 私有財産の意味(第8~9節)
6 公私の区分の意味(第10節)

第III章 労 働――自然と人間の物質代謝
1 「労働」と「仕事」(第11節)
2 「世界」と労働、仕事の位置(第12節)
3 人間の生と労働の意味(第13節)
4 労働と生産力(第14節)
5 私有財産の源泉としての労働(第15節)
6 労働の労苦からの解放は何をもたらすか(第16節)
7 大衆消費社会という不幸(第17節)

第IV章 仕事と制作
1 産業革命における「消費」の無限拡大(第18節)
2 制作過程の変容(第19~20節)
3 功利主義批判(第21節)
4 工作人と交換市場(第22節)
5 世界の永続性と芸術(第23節)

第V章 行 為
1 第二の「出生」(第24~25節)
2 行為と人間事象の脆さ(第26節)
3 ギリシア人の解決としてのポリスと「権力」概念(第27~28節)
4 ヘーゲルからマルクスへ──「潜勢力」概念の継承と断絶
5 行為の代替としての制作(第31節)
6 人間関係を修復する「奇蹟」としての「許し」(第33節 その一)
7 行為の「予測不能性」に対する救済としての「約束」(第34節)
8 自然過程への「行為」の介入(第33節 その二)

第VI章 近代の開幕と活動力のヒエラルキーの転換
1 近代の起点──三つの「出来事」(第35節)
2 ガリレオによる望遠鏡の発明──アルキメデスの点の発見(第36節 その一)
3 近代数学と経験からの解放(第36節 その二)
4 デカルトの懐疑──内面世界への逃避(第38節)
5 デカルト的内省と共通感覚の喪失(第39~40節)
6 観照と活動の伝統的なヒエラルキーの解体(第41節)
7 制作から過程へ(第42節)
8 「工作人」の敗北と功利主義の限界(第43節)
9 労働と生命の勝利──キリスト教と近代(第44節)
10 展 望──「労働する動物」の勝利と行為の行方(第45節)


文献一覧
あとがき

製品情報

製品名 精読 アレント『人間の条件』
著者名 著:牧野 雅彦
発売日 2023年03月09日
価格 定価:2,090円(本体1,900円)
ISBN 978-4-06-531428-9
通巻番号 781
判型 四六
ページ数 320ページ
シリーズ 講談社選書メチエ

著者紹介

著:牧野 雅彦(マキノ マサヒコ)

1955年、神奈川県生まれ。京都大学法学部卒業、名古屋大学大学院法学科博士課程単位取得。名古屋大学助教授、広島大学法学部教授を歴任。現在、広島大学名誉教授。専門は、政治学・政治思想史。
主な著書に、『歴史主義の再建』(日本評論社)、『マックス・ウェーバー入門』(平凡社新書)、『国家学の再建』(名古屋大学出版会)、『ヴェルサイユ条約』(中公新書)、『ロカルノ条約』(中公叢書)、『精読 アレント『全体主義の起源』』、『危機の政治学』(以上、講談社選書メチエ)、『アレント『革命について』を読む』(法政大学出版局)、『ハンナ・アレント』(講談社現代新書)ほか多数。
主な訳書に、ハンナ・アレント『人間の条件』(講談社学術文庫)ほか。

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