内容紹介
昭和11年(1936)に『支那思想史』の書名で刊行され、戦後は『中国思想史』と改題してたびたび再刊されて今世紀まで読み継がれてきた概説書の、初の文庫化。孔子・老子に代表される古代思想はもちろん、その後の儒教・仏教・道教の相互交渉、朱子学・陽明学の成立、清代の考証学の確立まで、2000年以上におよぶ中国思想の幅広い歴史を、コンパクトに通観する。
著者によれば、維新以後この種の著作は数種出ているが、いずれも学者の伝記とその著書の解題を並べたものにすぎず、思想推移の跡をたどるに不便である、という。そこで本書では、思想変遷の過程を明らかにし、異質な思想が接触し変化する歴史を描くことに多く筆を割いている。
なかでも本書の大きな特徴は、四書五経の研究を深めた学問「経学」の変遷や、儒教や宋学への仏教の影響について大胆に説き明かしていることで、一人の研究者がこれほどの広い視野で中国の思想史を捉えた書物は、その後著されていない。
学術文庫のロングセラー、『孫子』『墨子』『諸子百家』等の著者、浅野裕一氏(東北大学名誉教授)が巻末解説を執筆。〔原本:岩波書店、1936年・1957年・2005年刊〕
目次
- はしがき
- 叙説
- 上世期(上)諸子時代
- 第一章 中国古代の民族信仰
- 第二章 孔 子
- 第三章 孔門の二学派
- 第四章 墨子とその後学
- 第五章 老子とその後学
- 第六章 稷下の学
- 第七章 荘周とその後学
- 第八章 論理学の発達
- 第九章 荀子と其門下
- 第十章 秦代の思想界
- 上世期(下)経学時代
- 第十一章 前漢の経学
- 第十二章 後漢の経学
- 第十三章 両漢の諸子
- 中世期 三教交渉の時代
- 第十四章 儒教より老荘へ
- 第十五章 老荘より仏教へ
- 第十六章 道教の成立
- 第十七章 経学の統一
- 第十八章 隋唐の仏教
- 第十九章 中世期哲学の概観
- 近世期 儒教革新の時代
- 第二十章 儒学の新傾向
- 第二十一章 仏教の新傾向
- 第二十二章 宋学の勃興
- 第二十三章 道学―周張二程の学
- 第二十四章 春秋学―欧陽修と司馬光
- 第二十五章 宋学の大成―朱子
- 第二十六章 宋学と仏教
- 第二十七章 宋学の別派―陸子
- 第二十八章 朱陸の門葉
- 第二十九章 明学―陳白沙と王陽明
- 第三十章 清学の推移
- 文献解説
- 解説 (浅野裕一)
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