内容紹介
ドゥルーズとガタリによる最後の共著『哲学とは何か』。難解をもって知られるこの著作をどう読んだらいいのか。
読解のため、本書では大きく三部で構成される。
第一部では、ドゥルーズとガタリの〈内在〉概念とはどのようなものかを明らかにする。単に内在と超越という二項対立ではなく、彼らが「内在野」と名指ししたものは何だったのか。スピノザ、ベルクソンなども参照しつつ、その形成過程を明らかにしていく。
第二部では、哲学・科学・芸術の三つを同じ形式をもったものとして、あえて並列に描こうとしたドゥルーズとガタリの意図に分け入っていく。そこから「脳」と「カオス」が析出される次第は、まさに『哲学とは何か』を解読する重要な準備となる。
第三部では、いよいよ『哲学とは何か』をきわめて精密に読み解く。各章に概要、用語、読解の見出しを立て、まさに一字一句を読んでいく。その先に見えてくる〈内在〉の哲学とは?
目次
- 第一部 ドゥルーズとガタリの「内在」という概念はどのような概念であるのか
- 第一章 主体でも客体でもない「内在」
- 第二章 ドゥルーズおよびドゥルーズとガタリの著作群における「内在」概念の考古学
- 第三章 「内在」概念の考古学的探査(1)
- 第四章 「内在」概念の考古学的探査(2)
- 第五章 「内在」概念の考古学的探査(3)
- 第六章 「内在」概念の考古学的探査(4)
- 第七章 「内在」概念の考古学的探査(5)
- 第八章 「内在」概念の考古学的探査(6)
- 第九章 ドゥルーズの著作群における「内在」概念の系譜学
- 第二部 科学、芸術、哲学そして脳
- 第一章 共通的解釈、外的解釈、内的解釈
- 第二章 擬製的創造あるいは創造の逆イデア論的定式
- 第三章 〈内在の哲学〉の実在概念と擬製的創造についての哲学史的註解
- 第四章 言表行為としての哲学的言表の力
- 第五章 〈内在の哲学〉の実在概念について
- 第六章 擬製的創造の定式が含む本源的ギャップ
- 第七章 〈内在の哲学〉における実在の全体と部分
- 第八章 〈内在の哲学〉における真理/真偽概念
- 第九章 〈内在の哲学〉の立場からみた「哲学的概念」の解明
- 第十章 科学における「擬製的創造」
- 第十一章 知覚と情動の「擬製的創造」
- 第十二章 「擬製的創造」を経て至福にいたる道
- 終章 「擬製的創造」と「主体-脳」
- 第三部 『哲学とは何か』を読む
- 第一章 第三部の構成
- 第二章 『哲学とは何か』の概要と解釈の大筋
- 第三章 「序論」を読む
- 第四章 「第一部 哲学」を読む
- 第五章 「第二部 哲学、科学、論理学、芸術」を読む
- 第六章 「結論 カオスから脳へ」を読む
製品情報
製品名 | ドゥルーズとガタリの『哲学とは何か』を精読する 〈内在〉の哲学試論 |
---|---|
著者名 | 著:近藤 和敬 |
発売日 | 2020年08月11日 |
価格 | 定価:3,190円(本体2,900円) |
ISBN | 978-4-06-520834-2 |
通巻番号 | 730 |
判型 | 四六 |
ページ数 | 608ページ |
シリーズ | 講談社選書メチエ |
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