生きつづけるキキ ーひとつの『魔女の宅急便』論ー
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内容紹介
ここに一冊の名作がある。角野栄子の『魔女の宅急便』である。……(中略)……さて、すでに述べたように、『魔女の宅急便』の発行は一九八五年である。一九八五年は昭和六十年だ。その後、昭和は数年つづき、さらに平成が三十年、令和に入った今、合わせて三十数年の年月が流れている。
明治が終わってまだ二十年という時に、中村草田男は、<明治は遠くなりにけり>と言った。さらにそれより長い、年号も令和になった今で言えば、<昭和は遠くなりにけり>のはずだ。
昭和が遠くなったかどうかは別として、『魔女の宅急便』は?
『魔女の宅急便』は<遠くなりにけり>だろうか?
否!
遠くなるどころか、この作品は発行当時よりもさらに読者の身近になっている。発行以来三十年以上経っているにもかかわらず、『魔女の宅急便』は書店の棚に残りつづけている。
その理由はどこにあるのか?
この書はそれを探ることが目的である。
ーー本文「はじめに」より
『ルドルフとイッパイアッテナ』作者・斉藤洋の視点から、現代読者にとっての『魔女の宅急便』の意味や価値を探り、各章ごとに丁寧に読み解く一冊。
巻末には角野栄子・斉藤洋の豪華対談も。
製品情報
製品名 | 生きつづけるキキ ーひとつの『魔女の宅急便』論ー |
---|---|
著者名 | 作:斉藤 洋 |
発売日 | 2020年03月02日 |
価格 | 定価 : 本体1,500円(税別) |
ISBN | 978-4-06-518497-4 |
判型 | 四六 |
ページ数 | 162ページ |
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