「1946・文学的考察」既刊・関連作品一覧

1946・文学的考察

戦後日本文学はここに出発した。

ここにあるのは若気の過ちではなく、若気の夢、――軍国主義を呪い、詩を愛した日本の青年の知的な客気である。――<「あとがき三十年後」より>
1946年・敗戦翌年、<マチネ・ポエティク>のメンバー 加藤・中村・福永の共同執筆により「世代」に連載された時評は、新しい時代の新しい文学を予告した。時代を超えた評論は日本近代文学史上必読の書となり、なお不動の地位にある。

鈴木貞美
ちょうどこの本が真善美社より刊行された年に生まれたわたしは、6年かけて大学を卒業したのち、すでに5年ほどたっていたが、まだ60年代末に高揚した学生運動のラディカリズムから脱落した後遺症のなかにいた。加藤周一さんの歯切れのよい啖呵は、抜けるような青空からふってくる力強いアジテイションのように、底深い憂鬱にとらわれた心を鼓舞してくれた。――<「解説」より>