内容紹介
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康ら「天下人」に、天皇はいかに渡り合ったのか。正親町天皇が発した日本史上初めての「キリシタン禁令」を無視した信長。秀吉の権威を天下に誇示することとなった後陽成天皇の聚楽第行幸。大明国征服の野望を抱いた秀吉の「皇居の北京移転計画」。家康の意向に従わざるを得なかった後陽成の譲位と後水尾天皇の即位。信長上洛から家康の死まで、激動の時代を天下人ではなく天皇を主人公として描き出す。
講談社創業100周年企画として刊行され、高い評価をえたシリーズの学術文庫版、第5巻。
本巻では、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康ら「天下人」と、同時代の天皇たちの虚々実々の駆け引きをたどり、天下統一の過程での天皇の役割を究明する。
正親町天皇が発した日本史上初めての「キリシタン禁令」を無視した信長。秀吉の権威を天下に誇示することとなった後陽成天皇の聚楽第行幸。大明国征服の野望を抱いて朝鮮に出兵した秀吉の無謀な計画「皇居の北京移転」を、後陽成はいかに阻止したのか。そして、新たな幕府を開いた家康の意向に従わざるを得なかった後陽成の譲位と後水尾天皇の即位。さらに、天寿を全うして「神」となった家康の「神号決定」の過程に見られる、新しい時代の「天皇と幕府の関係」とは。
信長上洛から家康の死まで、激動の時代を天下人ではなく天皇を主人公に描き出す。
〔原本:『天皇の歴史05巻 天皇と天下人』講談社 2011年刊〕
目次
- プロローグ 正親町天皇のキリシタン禁令
- 第一章 義昭・信長の入京
- 1 義昭・信長入京以前
- 2 義昭・信長の入京
- 3 義昭への将軍宣下
- 4 領地等の回復
- 5 禁裏費用の確保
- 6 戦争と天皇
- 7 義昭・信長の位置
- 第二章 正親町天皇と信長
- 1 信長の天下掌握
- 2 探り合う天皇と信長
- 3 天皇と戦国大名
- 4 信長の朝廷への攻勢
- 5 信長の戦いと天皇
- 6 禁裏・天皇と距離を置く信長
- 第三章 天下人秀吉の誕生
- 1 本能寺の変とその直後
- 2 朝廷に接近する秀吉―関白任官
- 3 戦いと天皇
- 第四章 後陽成天皇と朝鮮出兵
- 1 後陽成天皇の即位と聚楽第行幸
- 2 北京への移徙―朝鮮出兵
- 3 対明講和交渉と後陽成天皇
- 4 晩年の秀吉と後陽成天皇
- 第五章 後陽成・後水尾天皇と家康
- 1 譲位一件と豊国大明神
- 2 天下人家康
- 3 家康への将軍宣下
- 4 後陽成天皇の譲位と後水尾天皇の即位
- 5 後水尾天皇即位後の朝廷
- 6 豊臣家滅亡と禁中ならびに公家中諸法度
- エピローグ 「権現」か「明神」か
- 学術文庫版のあとがき
- 参考文献
- 年表
- 歴代天皇表
- 天皇系図
- 索引
製品情報
製品名 | 天皇の歴史5 天皇と天下人 |
---|---|
著者名 | 著:藤井 讓治 |
発売日 | 2018年04月10日 |
価格 | 定価 : 本体1,160円(税別) |
ISBN | 978-4-06-292485-6 |
通巻番号 | 2485 |
判型 | A6 |
ページ数 | 352ページ |
シリーズ | 講談社学術文庫 |
初出 | 本書の原本は、2011年5月、小社より単行本として刊行されました。 |
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