「聖武天皇 責めはわれ一人にあり」既刊・関連作品一覧

聖武天皇 責めはわれ一人にあり

平城遷都1300年・光明皇后1250年御遠忌記念
政変と兵乱、災異と疫病 律令国家草創期の困難な時代。天皇は、そのすべてを背負った。
歴史家として真摯に史料と向き合い、東大寺の住職として人間への洞察を深めてきた著者が描く、<格闘する天皇>の実像

「長屋王の変」の真相、光明皇后と藤原氏の発展、遣唐使の往還、繰り返される遷都、そして東大寺大仏開眼。

「責めは予(われ)一人に在り」とは、聖武天皇の詔のうち筆者がもっとも心打たれた言葉である。旱魃による不作の連続で飢饉が起こり、民が罪を犯してしまうような事態に至った、その全責任は朕一人にあるとして、聖武天皇は罪人に大赦を与えたのである。危うさのまえから逃げようとする人間は多いが、天皇は逃げなかった。――<本書より>