内容紹介
竹取物語、海幸彦・山幸彦、宮廷説話、芋粥、桃太郎、物ぐさ太郎、鉢かづき……。
本書は歴史学・社会史研究の立場から神話・説話・民話という素材に接近する。
絵巻物などの絵画に隠されたシンボルを読み解く刺激的な論考は、〈物語世界〉をとおして中世の〈現実〉とそこに生きた人々の生活や意識に迫る。
新しい中世社会像の構築に貢献した先駆的研究。
目次
- 【1】 神話の世界と中世
- 第一章 『竹取物語』と王権神話--五節舞姫の幻想
- 第二章 『彦火々出見尊絵巻』と御厨的世界
- --海幸・山幸神話の絵巻をめぐって
- 第三章 巨柱神話と天道花
- --日本中世の氏神祭と農事暦
- 補論 歴史学にとっての柳田国男
- 【2】 中世説話の世界
- 第四章 内裏清涼殿と宮廷説話
- 第五章 説話「芋粥」と荘園制支配--贈与と客人歓待
- 第六章 虎・鬼ヶ島と日本海海域史
- 第七章 領主本宅と煙出・釜殿
- 【3】 中世民話の世界
- 第八章 腰袋と『桃太郎』
- 第九章 『物ぐさ太郎』から『三年寝太郎』へ
- 第一〇章 秘面の女と『鉢かづき』のテーマ
- あとがき
- 文庫版あとがき――倭国神話論のために
- 初出一覧
製品情報
製品名 | 物語の中世 神話・説話・民話の歴史学 |
---|---|
著者名 | 著:保立 道久 |
発売日 | 2013年10月11日 |
価格 | 定価 : 本体1,350円(税別) |
ISBN | 978-4-06-292199-2 |
通巻番号 | 2199 |
判型 | A6 |
ページ数 | 480ページ |
シリーズ | 講談社学術文庫 |
初出 | 原本は、1998年に東京大学出版会より刊行。本書収録にあたって全面的に改稿・追補した。 |
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