「新訂版 桃太郎の母」既刊・関連作品一覧

新訂版 桃太郎の母

桃太郎、一寸法師、ハナタレ小僧様、瓜子姫……
これらの「小サ子」は、なぜ水界に関係しているのか?
人類学の名著が、新解説(小松和彦)を加えて完全版で待望の登場

桃太郎や一寸法師の中に見られる〈水辺の小サ子〉の背後に潜む母性像の源流を原始大母神と子神にまで遡る。併録の「月と不死」「隠された太陽」「桑原考」「天馬の道」「穀母と穀神」はいずれも、数万年のスパンで人類の精神史を描く、壮大な試みに取り組んだ画期的考察である。口絵図版を追加して復活し、さらに、日本民俗学の第一人者である小松和彦の解説を加えて、名著がここに甦る。

わたしが石田の仕事を再考しながら気づいたことの一つは、意外に思うかもしれないが、フランスの構造人類学者クロード・レヴィ=ストロースの試みとの類似であった。(略)石田より5年ほど遅れて1908年に生まれたレヴィ=ストロースもまた、文化人類学とか民族学といった学問に、太古の人類文化を明らかにするという壮大な人類史の構築の夢を託していたらしいということである。(略)方法も結論もまったく違っていたが、石田もレヴィ=ストロースも共に太古の時代までも視野を広げた人類の壮大なドラマを人類学という学問を通じて思い描いていたのである。(略)ひるむことなくいかにしてその壮大な夢を引き継いでいくかを改めて考える時に来ているのである。――<小松和彦『新訂版 桃太郎の母』解説より>