「三国演義」既刊・関連作品一覧

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三国演義

これぞ本物の三国演義
劉備は単なる“仁”と“義”の人ではなかった。物語の歪みを道教の視点から見直す初の試み……これで本当の中国が見えてくる

「三国志」(三国演義)は、小説好きの読者には必読の書である。日本でも吉川英治、柴田錬三郎、北方謙三等の作家が、渾身の力を込めて書いた。また、翻訳もある。私は沢山読んだ。
しかし、今回、安能務氏の『三国演義』を読んで、私は非常に驚き感嘆した。発見、の思いがあった。曹操、劉備等が、まるで現代小説の主人公のように生きて動く。そして、歴史の歩み、というか、事件進行の現実的細部が、まるで眼に見えるように明晰である。作者畢生の大作であろう。──秋山駿(文芸評論家)