内容紹介
目次
序章 伝統と近代
一 近代仏教とは何か?
二 伝統から近代へ
三 近代仏教の重層性
四 伝統の再解釈
五 本書の意図するもの
I 浄土思想の近代
第一章 清沢満之研究の今――「近代仏教」を超えられるか?
はじめに――清沢満之研究の動向
一 清沢満之とは誰のことか
二 近代という視点
三 近代は超えられるか
四 清沢をどう読むか
むすび
第二章 宗派の壁は超えられるか
はじめに
一 曽我量深と精神主義
二 曽我量深の「日蓮論」
三 曽我の思想の展開
第三章 迷走する親鸞
一 大正思想史の困難
二 『出家とその弟子』の概要
三 恋愛と求道と――『出家とその弟子』の思想
四 体験と遍歴――『出家とその弟子』の背景とその後
第四章 愛の求道者――倉田百三
一 恋愛とファシズムの狭間で
二 異性という他者
三 性と愛の葛藤
II 日蓮思想の展開
第五章 国家・国体・天皇と日蓮思想――田中智学を中心に
一 国体論の地平――『国体の本義』
二 一九一一年の転換
三 智学の根本思想と国体論
四 「国体学」の完成と逸脱
五 智学から里見岸雄へ
第六章 世俗化と日蓮仏教――松戸行雄の「凡夫本仏論」をめぐって
一 社会参加と仏教思想
二 凡夫本仏論と「人間主義」
三 凡夫本仏論と天台=日蓮教学
四 凡夫本仏論と本覚思想
III 鈴木大拙と霊性論
第七章 大拙批判再考
一 大拙の多面性と大拙批判
二 初期の大乗仏教理解をめぐって
三 戦争とナショナリズムをめぐって
四 融通無碍な表現をめぐって
第八章 鈴木大拙における「日本的」と「中国的」――『日本的霊性』を中心に
一 鈴木大拙と『日本的霊性』について
二 大拙と中国
三 「霊性」の普遍性と特殊性
四 「即非の論理」と「人(にん)」――大拙の中国禅思想理解
IV 日本仏教と大乗仏教
第九章 家永三郎と戦後仏教史学
一 家永史学における古代・中世思想史の位置づけ
二 基本構図としての『日本思想史に於ける否定の論理の発達』
三 『否定の論理』の展開
四 『否定の論理』再考
第十章 大乗非仏説論から大乗仏教成立論へ――近代日本の大乗仏教言説
一 大乗非仏説論の護教性
二 護教と時局――宮本正尊の大乗仏教論
三 護教論と時局論は超えられるか
終章 今、近代仏教を問う
一 近代仏教の忘却
二 近代仏教の見直しへ
学術文庫版あとがき
製品情報
製品名 | 日本の近代仏教 思想と歴史 |
---|---|
著者名 | 著:末木 文美士 |
発売日 | 2022年11月10日 |
価格 | 定価:1,298円(本体1,180円) |
ISBN | 978-4-06-529726-1 |
通巻番号 | 2739 |
判型 | A6 |
ページ数 | 312ページ |
シリーズ | 講談社学術文庫 |
初出 | 本書は、2017年に中央公論新社より刊行された『思想としての近代仏教』を改題し、一部(「仏教研究方法論と研究史」「近代における仏教辞典の編纂」「大乗仏教の実践―研究状況をめぐって」)を割愛して文庫化したものです。 |
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