「法然対明恵」既刊・関連作品一覧
救いとは何か。濁世を生きる二人が問う。他力か自力か、易行か難行か。鎌倉時代の新旧仏教界を代表する思想家の対決を通して、人はいかにすれば救われるのかという、宗教における究極のテーマに迫る。
人はいかにすれば救われるか。法然と明恵――鎌倉新旧仏教を代表する両者の思想対決は、私たちを根源的な問いへと誘う。現実か理想か。他力か自力か。そして、生と死の究極の姿とは。最新の宗教学の成果を踏まえ、2人の対決の彼方に宗教のアクチュアルな「力」の再生の可能性を探る、宗教のポストモダン。
【目次】
プロローグ なぜ「法然対明恵」なのか
第一章 浮かび上がる二つの軌跡
1 相似形の生い立ち
2 乖離していく2人の軌跡
3 両極に立った改革思想
第二章 明恵――「生の座標軸」
1 実践哲学としての華厳思想
2 ひたすらに愛する人
3 世界はありのままで美しい
4 末法思想の超克
第三章 法然――「死の座標軸」
1 絶望の時代に投げこまれて
2 救いの発見
3 濁世の革命家
第四章 交錯する座標軸
1 対決の構図
2 身体化する思想
3 重なり合う座標軸
4 日本仏教の再生へ
註
あとがき
索引