内容紹介
真珠湾攻撃、太平洋戦争開戦の2年前の1939年、満州国とソビエト連邦の国境地帯で発生した「ノモンハン事件」。
見渡す限りの草原地帯で、関東軍とソビエト軍が大規模な軍事衝突に発展、双方あわせて4万5000人以上の犠牲を出した。
関東軍を率いたのは、弱冠37歳の青年参謀・辻政信と、その上司・服部卓四郎。
大本営や昭和天皇が無謀な挑発を厳しく戒めるのをよそに、「寄らば斬る」と大見得を切った辻によって、日本軍は想定外の「戦争」へと突入していった――。
事件から80年、いまも装甲車や塹壕が放置され、人骨が散在するノモンハンの現場を徹底調査、さらにアメリカに残る旧軍人らのインタビューテープを発掘して、事件の深層を立体的に浮かび上がらせた同名番組を書籍化。
目次
- 第一章 関東軍vs.スターリン
- 泣く子も黙る/関東軍「鉄」の名を持つ男/目算違い/スターリンとゲンデン
- 第二章 参謀・辻政信
- 絶対悪か天才参謀か/「寄らば斬るぞ」の威厳/全面衝突へのカウントダウン/即席師団と旧式銃/越境爆撃/大権干犯/「俯仰天地に愧(は)じず」
- 第三章 悲劇の戦場
- 名将・ジューコフ登場/不気味な静けさ/黒い水/夜襲突撃/物量が違いすぎる/なぜ引き返せなかったのか/招集された未訓練兵/情報戦/全滅か、撤退か
- 第四章 責任なき戦い
- 二つに一つ/惨憺たる、膨大な山のような死体/陸軍の粛清人事/悲劇の銃声/「自決勧告」/捕虜となった者たちの戦後
- 第五章 失敗の本質
- 失敗の序曲/「極秘」の調査報告書/参謀・瀬島龍三の証言/陸軍内にあった「派閥」/”餓島”ガタルカナル
- 第六章 遺された者たち
- 「実にすまんことをした」/井置大佐からの手紙/「戦死」でなく、ただ「死んだ」/辻政信とその家族の戦後/語り継ぎ、問いつづける
- あとがき いま戦争を語るということ
製品情報
製品名 | ノモンハン 責任なき戦い |
---|---|
著者名 | 著:田中 雄一 |
発売日 | 2019年08月21日 |
価格 | 定価 : 本体900円(税別) |
ISBN | 978-4-06-516857-8 |
通巻番号 | 2538 |
判型 | 新書 |
ページ数 | 248ページ |
シリーズ | 講談社現代新書 |
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