我に秘薬あり 家康の天下取りと正倉院の名薬「紫雪」

内容紹介
家康の二度にわたる正倉院開封の目的は幻の妙薬「紫雪」にあった! 天下取りを目前に毒殺をなによりも恐れた家康。幕府を磐石にし、子々孫々に権力を末長く伝えてくためにも、政敵の魔手から逃れる万能の解毒剤を独占したかった……。そのために家康がとった手段とはいかなるものだったのか……。 クスリを通して歴史の闇に迫るmedical history novel。
徳川家康はなぜか東大寺の正倉院を二度にわたって開けさせています。正倉院は勅封といわれ、天皇の命令がなければ開けることができません。源頼朝、足利義政、織田信長、豊臣秀吉も開けさせていますが一回だけです。
正倉院には天平以来の珍奇な生薬や鉱物薬が納められています。いっぽう家康は養生にきわめて関心が深く、みずから薬を調合するのがなかば趣味だったともいわれています。とすれば、家康の正倉院開封の目的は薬にあったのではないか。しかも収蔵帳には、古来、万能の解毒剤とされてきた幻の妙薬「紫雪」の二文字が記されていました……。
多くのライバルの非業の死を目の当たりにしてきた家康。天下取りを目前に毒殺をなによりも恐れていたにちがいありません。しかもその権力を磐石にし、子々孫々に末長く伝えてくためにも、暗殺の魔手から逃れる妙薬を独占したかった……。そのために家康がとった手段とはいかなるものだったのか……。また、徳川三百年の平和の背景にあった「紫雪」とはいったいどのようなクスリだったのか。
本書はクスリを通して家康の天下取りを描くmedical history novel です。
目次
- 奇妙な開封
- 高貴薬を求めて
- 曲直瀬父子
- 解毒の秘法
- 聖徳太子と鑑真和上
- 関ヶ原前夜の瘧疾
- 消えうせた妙薬
- 寒食散
- 黄金一百両
- 神君陣中薬
- 孝明天皇の死
製品情報
製品名 | 我に秘薬あり 家康の天下取りと正倉院の名薬「紫雪」 |
---|---|
著者名 | 著:山崎 光夫 |
発売日 | 2013年10月23日 |
価格 | 定価 : 本体2,300円(税別) |
ISBN | 978-4-06-218670-4 |
判型 | 四六変型 |
ページ数 | 314ページ |
初出 | 『和漢薬』(ウチダ和漢薬)2008年8月号~2010年6月号 単行本化にあたり、大幅に改稿、加筆している。 |
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