2021年10月、落語家・柳家小三治が亡くなった。
古今亭志ん朝、立川談志と並ぶ日本が誇る話芸の名人は、寄席を主な活動の場とし、晩年、TVやCMなどでの露出はなかったものの、落語ファンからの圧倒的かつ、熱狂的な支持を集めていた。
それほどまでに人を虜にした、人間国宝「小三治の落語」とはいったい、何だったのか。
小三治の芸論、哲学、技術は? 彼は過去から何を受けとり、何を後に遺したのか。
50年来の落語ファンにして、30年に亘り小三治の高座を追い続けた著者による『なぜ「小三治」の落語は面白いのか?』(2014年に単行本、16年に+α文庫化)を改題、増補改訂。
第一章「小三治から見た近代落語史」は新規書き下ろし、
第二章「<小三治落語>の演目」は、追悼番組はもちろん、2022年1月時点で商品化されたすべての音源・映像や、過去に放映された高座91席に言及、大幅加筆のうえ、再検証を行った。
第三章「小三治インタビュー」の濃密な芸談はもちろん、
「柳家小三治」という落語家人生を総括しながら、現代落語史を解読する!
目次
まえがき
第1章 小三治から見た近代落語史
第2章 「小三治落語」の演目
第3章 小三治インタビュー
落語協会会長就任について
小三治「茶話会」会見にて
あとがき
参考音源および参考映像
演目索引
*本書は、『なぜ「小三治」の落語は面白いのか?』(2014年単行刊刊、2016年 講談社+α文庫刊)を改題、新章を加えて加筆修正された、増補改訂版です。
内容一部抜粋)
落語って面白くて楽しいんだけどね、哀しいんですよ、どっか。(中略)『長屋の花見』にしたって哀しい噺だよ。哀しい噺なんだけど、それを、ああやって、楽しく、力強く、くだらなく、生きていくっていう、その凄さはね、『長屋の花見』を一席だけやって、一生かかってその一席をやる人がいたって、いいと思う。―――第三章「小三治インタビュー」より
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