淀藩10万石の色気騒動でお美也を喪った大川忠介が、おなじく恋女房のお妻を斬られて傷心の利根一平を伴って出た旅の、九州・長崎から、ようやく江戸へ戻ったのは、老中・水野忠邦が失脚してまもなくだった。郡代屋敷裏のはだか長屋は、忠介が街道で救った百姓娘・お豊と新しい浪人仲間を連れ帰ったその日から、女衒、やくざ、不逞浪人の波状攻撃をうけて忙しくなる……。一難去って、また一難、はだか長屋の浪人組の評判に反感をもつ殺し屋集団・駒形組の悪辣な襲撃と、淀藩浪人・峰山小源太一味の黒い策謀! 悪に挑戦する忠介の胸には、忘れえぬ御後室・お八重の方の面影が……。<全8巻>
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