北町奉行をつとめて江戸市民に「遠山の金さん」と親しまれた左衛門尉景元が、南町奉行になった折も折、江戸には白狐小僧と自称する女犯盗賊が跋扈していた。鼠色羽二重の着流しに宗十郎頭巾の貴公子然とした若侍が、白狐の妖術で大金を奪い去る……。去年の秋、御府内を騒がした黒子の弥七事件を解決した隠密与力・瀬戸平五郎は、遠山景元から白狐小僧の探索方を命ぜられ、早速、手下の同心の神田徳次郎・筧光三郎と行動をおこしたが、質屋が軒並みに荒され、白狐小僧の贋者が白狐に斬殺されるなど事件の様相は複雑さを帯びてくる。瀬戸の陰の力に、ご存じ大川忠介の推理は? <全8巻完結>
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