内容紹介
アンソロジスト高原英理の呼びかけで実現した、未だかつてない「作家自己ベスト作品集」。
「そう来たか!」と意表を突くセレクトから納得の王道的傑作まで。
短編小説、随筆、短歌、経典の評釈――
現代文学の最前線を牽引する文学者たちが挙げた「自己ベスト作品」を集成した豪華アンソロジー。
「編者が作品を選ばない」
この編纂方法でなければ一堂に会することはなかった、それぞれの作家固有の文学観と達成を示す煌びやかな収録作品群の妙を堪能できる、奇跡の一書!
「これまでいくつかアンソロジーを編んできて、ほぼどれもありがたい反響をいただき、よい仕事をしたと自負もしているが、ただ、ときに内心忸怩たる思いがないではなかった。どこまでいってもこの自分の視点からしか見られないことの無念である。自分のまるで考えもしなかった視界を開く方法はないか。
こうして当アンソロジーのプランは生まれた。参加していただける個々の作家自身の決定にお任せする。それは私などの狭い先入観を裏切って思いもよらない豊饒な結果を生むだろう。ご覧いただきたい」
(編者・高原英理氏解説より)
〈収録作品〉
伊藤比呂美「読み解き「懺悔文」女がひとり、海千山千になるまで」
小川洋子「愛犬ベネディクト」
高原英理「ブルトンの遺言」
多和田葉子「胞子」
筒井康隆「ペニスに命中」
古井由吉「瓦礫の陰に」
穂村弘「いろいろ」
堀江敏幸「のぼりとのスナフキン」
町田康「逆水戸」
山田詠美「間食」
目次
- 伊藤比呂美「読み解き「懺悔文」女がひとり、海千山千になるまで」
- 小川洋子「愛犬ベネディクト」
- 高原英理「ブルトンの遺言」
- 多和田葉子「胞子」
- 筒井康隆「ペニスに命中」
- 古井由吉「瓦礫の陰に」
- 穂村弘「いろいろ」
- 堀江敏幸「のぼりとのスナフキン」
- 町田康「逆水戸」
- 山田詠美「間食」
製品情報
製品名 | 深淵と浮遊 現代作家自己ベストセレクション |
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著者名 | 著:伊藤 比呂美 著:小川 洋子 編:高原 英理 著:多和田 葉子 著:筒井 康隆 著:古井 由吉 著:穂村 弘 著:堀江 敏幸 著:町田 康 著:山田 詠美 |
発売日 | 2019年12月12日 |
価格 | 定価 : 本体1,800円(税別) |
ISBN | 978-4-06-517873-7 |
判型 | A6 |
ページ数 | 336ページ |
シリーズ | 講談社文芸文庫 |
初出 | 伊藤比呂美「読み解き『懺悔文』女がひとり、海千山千になるまで」…朝日文庫『読み解き「般若心経」』2013年、小川洋子「愛犬ベネディクト」…新潮文庫『いつも彼らはどこかに』2016年、高原英理「ブルトンの遺言」…国書刊行会『エイリア綺譚集』2018年、多和田葉子「胞子」…講談社文芸文庫『飛魂』2012年、筒井康隆「ペニスに命中」…新潮社『世界はゴ冗談』2015年、古井由吉「瓦礫の陰に」…新潮社『やすらい花』2010年、穂村弘「いろいろ」(「シンジケート」「こわれもの」「桃から生まれた男」「瞬間最大宝石」「犬」「冬の歌」…沖積舎『シンジケート』2006年)(「手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)」「手紙魔まみ、完璧な心の平和」「手紙魔まみ、ウエイトレス魂」…小学館文庫『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』2014年)(「奈良と鹿」…文春文庫『にょにょっ記』2012年)(「シラタキ」…河出文庫『求愛瞳孔反射』2007年)(「来れ好敵手」「トマジュー」「共感と驚異」「共感と驚異・その2」「共感と驚異・その3」…講談社文庫『整形前夜』2012年)、堀江敏幸「のぼりとのスナフキン」…新潮文庫『おぱらばん』2009年、町田康「逆水戸」…講談社文庫『権現の踊り子』2006年、山田詠美「間食」…文春文庫『風味絶佳』2008年。 |