「こんばんは、ごめんください。」
だれかが、チルチルとミチルの家のドアをたたきました。
チルチルがドアをあけると、腰のまがったおばあさんがはいってきました。
「ちょっとおたずねしますが、おたくに青い鳥はいませんか?」
おばあさんは目をしょぼしょぼさせながらいいました。
「ぼくは小鳥を一羽かっているけど、青い鳥ではありません。」
チルチルがこたえると、おばあさんは、ため息をつきました。
「びょうきのむすめが、青い鳥をほしがっているんだよ。
青い鳥がいれば、きっとしあわせになれるからね。そうだわ。」
おばあさんは、腰をしゃんとのばして、チルチルとミチルにいいました。
「あなたたち、青い鳥をさがしてきておくれ。」
ノーベル賞作家メーテルリンクの代表作『あおいとり』。
時代を超えて愛され続けてきた、いわさきちひろの名作えほんシリーズから、
とくに人気のある挿絵がいっぱいの『あおいとり』が、
名久井直子の装丁でかわいいサイズの絵本になりました。
童話作家の立原えりかの端正な日本語は、小さい子どもたちへの読み聞かせにもぴったり。
犬のチローやねこのチレットも大活躍、
二人が出会う、
おなじみの砂糖の精や、光の精、みらいの国の子どもたち、
青い空を見上げるしあわせ、
子どもを愛するお母さんのしあわせ……
お話もたっぷり楽しめる47ページ。
手元においてときどきながめたくなる特別な1冊です。
*オールカラー 24点の絵を収録
*すべての漢字にふりがなつき
*本書は『いわさきちひろ・おはなしえほん(5)あおいとり』(1984年刊行)を新装・改訂したものです。
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