内容紹介
『フーコーの振り子』の著者が問う「記号生産の理論」!
記号、あるいは記号の連鎖が作り出されるとはどのようなことか。
意味作用とコミュニケーションをめぐる思索は、いよいよ核心へ。
記号が作り出されるとはどのようなことか。記号生産の様式を認知、直示、模像、創案の四型に類型化。美的テクストなどの記号が表示義を絶えず新しい共示義に変えて行くさまを描出する。信号がその内容といかに相関するかという様式についても検討し、過剰コード化やコードの転換により新たな意味作用が生成する現象をも分析。記号という営みの核心に迫る!
メッセージとコードは両者の間に保たれる緊密な弁証法的な相互関係を通して、たがいに相手を養い合う。この関係を通じて受信者は新しい記号現象の可能性を意識し、それによって言語全体――すなわち、語られて来たこと、語りうること、語られうるし、また語られるべきことから成る遺産のすべて――を考え直すように仕向けられるのである。……意味体系を変えるということは、文化が世界を「見る」やり方を変えるということである。――<本書より>
※本書の原本は、1996年に岩波書店より刊行されました。
目次
- 第3章 記号生産の理論
- 第4章 記号論の主体
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