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ことば遊び

「世の中はすむと濁るの違いにて、刷毛に毛があり禿に毛が無し」。平安以来、歌詠みも、連歌作者も、俳諧の宗匠も、ことばの動き、その変わり身の様々な相を追求した。「回文」「早口ことば」「しゃれ」「地口」「なぞ」「解きと心」……。百花繚乱の言語遊戯を誇る日本語。ことばの可能性を極限まで発掘しようとする行為としてのことば遊びの歴史を辿る。(講談社学術文庫)


ゆたかなる日本語の世界へ
地口、尻取りことば、口合、回文、こせごと、なぞ……和歌の掛詞から、現代のなぞなぞまで、その変遷史を辿る。
「世の中はすむと濁るの違いにて、刷{は}毛{け}に毛があり禿に毛が無し」。平安以来、歌詠みも、連歌作者も、俳諧の宗匠も、ことばの動き、その変わり身の様々な相を追求した。「回文」「早口ことば」「しゃれ」「地口」「なぞ」「解きと心」……。百花繚乱の言語遊戯を誇る日本語。ことばの可能性を極限まで発掘しようとする行為としてのことば遊びの歴史を辿る。
ことばの機能の眠っている部分を揺り起こし、潜在していた変化の万華相と、その面白さ美しさを見付け出したという実績が、ことば遊びの歴史にはある(中略)しゃれを愛するのは、日本人の国民性であるといってよい。(中略)しゃれのわからぬ日本人は、ユーモアを解しないというだけでなく、風流の嗜{たしな}みに欠ける人間と考えられた。(本文より抜粋)