内容紹介
幕末、明治、昭和、そして……。近代以降の日本の歴史はひとつの対立軸を中心にかたちづくられてきた。本書は徳川官僚制とそのイデオロギー的基盤から説き起こし、明治維新、昭和維新、そして敗戦後まで「官僚的合理主義」と「維新主義」の相剋として描き出す。現れては消える〈維新〉はわれわれに何をもたらすのか? 歴史解釈は未来を見据える。(講談社学術文庫)
幕末、明治、昭和、そして……。
日本近代史を貫く、-維新-運動の原理。
幕末、明治、昭和、そして……。近代以降の日本の歴史はひとつの対立軸を中心にかたちづくられてきた。本書は徳川官僚制とそのイデオロギー的基盤から説き起こし、明治維新、昭和維新、そして敗戦後まで「官僚的合理主義」と「維新主義」の相剋として描き出す。現れては消える-維新-はわれわれに何をもたらすのか? 歴史解釈は未来を見据える。
近代日本の歴史は勝者─敗者の観点から見るよりも、大久保に典型的に見られる官僚合理主義的価値観と西郷に代表される理想主義的価値観の両極端の相互作用という観点から見た方が、よりよく理解しうるように思われる。この両極の原型の間に、日本人の理論的忠誠がつくられたりこわされたりする素材である文化的個性の力動的な現実が、度合いを異にし複雑に混じりあって存在しているのである。(本書より)
※本書の原本は、1979年9月に中央公論社より刊行されました。
目次
- 序文
- 日本語版への序文
- 第1章 近代日本への一視座
- 第2章 徳川官僚制への遺産
- 第3章 徳川末期の「維新主義」
- 第4章 明治の模索
- ――立憲制とイデオロギー的確実性をもとめて
- 第5章 二十世紀初期の政治的変化と抵抗
- 第6章 二つの維新と現代日本の可能性
- 注
- 訳者あとがき
- 文庫版訳者あとがき
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