「伊藤博文と明治国家形成―「宮中」の制度化と立憲制の導入」既刊・関連作品一覧

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伊藤博文と明治国家形成―「宮中」の制度化と立憲制の導入

「立憲カリスマ」の真の業績とは
立憲制確立のためには、まず天皇の権限を明確にし、内閣を自立させることが不可欠だった。

内閣制度を創設し、明治憲法の制定に尽力したことで日本近代史にその名を刻む伊藤博文。しかし立憲制の導入のために伊藤がまずなすべきことは、天皇の権限を明らかにし、「宮中」を制度化することだった。大隈重信・井上毅ら政敵との抗争や、度重なる政治的危機を乗り越えて明治天皇の信頼を得た伊藤の、「真の業績」を論じたサントリー学芸賞受賞作。

「宮中」とは、天皇、皇族、宮中派と呼ばれる天皇側近、宮内省関係者などで構成された政治主体を意味し、その「宮中」が、「内閣」から自立した政治意思を持ち、立憲制の導入を中心とした体制の転換にも少なからぬ影響を与えていったのである。
 本書の意味する「宮中」の制度化とは、君主権力を制度化して「宮中」の恣意から「政治」を自立させようとする政治的試みであり、それを本書では伊藤の政治指導を通じて明らかにしようとするものである。――(本書「はじめに」より)

1991年、吉川弘文館刊の同名書籍の文庫化