内容紹介
心傷ついた女、障害を持つ男、信心篤(あつ)い無垢な者……師匠(パトロン)達は四国の森に根拠地を作る。だが棄教で一度芽生えた不信感は拭い去れず、グループ間の対立も燻(くすぶ)り続ける。やがて悲劇の予感と共に教団再建の大集会が始まり、師匠は「新しい人」に全てを託す。 再生と救いを追究し、“魂のこと”を求め続けた大江文学の集大成。
宙返りから、新しいものが見えてくる。――(大江健三郎)
教団内部の対立を抱えつつ大集会はクライマックスへ。
「新しい人」にすべてを託して――
心傷ついた女、障害を持つ男、信心篤(あつ)い無垢な者……師匠(パトロン)達は四国の森に根拠地を作る。だが棄教で一度芽生えた不信感は拭い去れず、グループ間の対立も燻(くすぶ)り続ける。やがて悲劇の予感と共に教団再建の大集会が始まり、師匠は「新しい人」に全てを託す。
再生と救いを追究し、“魂のこと”を求め続けた大江文学の集大成。
目次
- 第十七章 場所には力がある
- 第十八章 受容と拒否(一)
- 第十九章 受容と拒否(二)
- 第二十章 「静かな女たち」
- 第二十一章 童子の蛍
- 第二十二章 よ な
- 第二十三章 「技師団」
- 第二十四章 聖痕はいかに受けとめられたか
- 第二十五章 テン窪を舞台とする芝居
- 第二十六章 未編集ヴィデオのような人間
- 第二十七章 「新しい人」の教会
- 第二十八章 奇 蹟
- 第二十九章 教 育
- 第三十章 案内人の思い出
- 第三十一章 夏の集会
- 第三十二章 師匠のために
- 終 章 永遠の一年