「『深い河』創作日記」既刊・関連作品一覧

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『深い河』創作日記

「この小説のために今日の痛みをしのがねばならなかったのか」 死と向かい合った作家が最後に傾けた情熱。ベストセラー『深い河』は、いかに凄絶な闘病のなかで書き上げられたか。

7月30日 何という苦しい作業だろう。小説を完成させることは、広大な、余りに広大な石だらけの土地を掘り、耕し、耕作地にする努力。主よ、私は疲れました。もう70歳に近いのです。70歳の身にはこんな小説はあまりに辛い労働です。しかし完成させねばならぬ。