そのマンションはトラブルが日常茶飯事で、飛びおり自殺や首吊り自殺は何度もあった。 「あれ、人間かな──」 次の瞬間、ばちんッ、と大きな音が響いて、あたりが真っ暗になった。 死を決意して訪れた樹海で体験した戦慄の一夜。 アウトローが出入りするマンションで押入れから聞こえる音の恐るべき正体。 ひとりでに路地を移動するスーツケースと実際の事件との奇妙な一致。 怪談社の糸柳寿昭と上間月貴が取材した怪異を、福澤徹三が書きおこす怪談実話シリーズ第4弾。
小説家。『黒い百物語』『忌談』『怖の日常』など怪談実話から『真夜中の金魚』『死に金』などアウトロー小説、『灰色の犬』『群青の魚』などの警察小説まで幅広く執筆。2008年『すじぼり』で第10回大藪春彦賞を受賞。『東京難民』は映画化、『白日の鴉』はドラマ化、『侠飯』『Iターン』はドラマ化・コミカライズされた。他の著書に『作家ごはん』『羊の国の「イリヤ」』などがある。
実話怪談師。全国各地で蒐集した実話怪談を書籍の刊行やトークイベントで発表する団体「怪談社」を主宰。単著として『怪談聖 おどろかいわ』などがあり、怪談社の著作に『怪談社 THE BEST 鬼の章』『怪談社書記録 蛇ノ目の女』など多数。狩野(かの)英(えい)孝(こう)が司会を務めるCS番組「怪談のシーハナ聞かせてよ。」に、本作に登場する怪談社・上(かみ)間(ま)月(つき)貴(たか)とレギュラー出演中。本書は福澤徹三と共著の『忌み地』『忌み地 弐』『忌み地 惨』続編となる。
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