この本で紹介するケースは、けっして他人事ではありません。「赤ちゃんを強く揺さぶって傷害を負わせた」として逮捕された親たち。しかし、つかまり立ちからの転倒などが原因であっても「虐待」だとして断罪されていたのです。最愛の我が子が脳に障害を負うという苦しみのなか、虐待を疑われた親たちの過酷な体験を描きつつ、欧米では虐待の根拠にはなっていない「揺さぶられっ子症候群」について専門家の視点を交えて究明します。
無罪判決、続出中! 多くの子育て中のママ、パパを襲う「冤罪」の悲劇の裏にひそむ「正義」の実態を解き明かす! 「揺さぶられっ子症候群」は、はたして「虐待」の根拠となりうるのか?
子育て世代をはじめ、すべての保護者たちに伝えます--。
ここ数年、「赤ちゃんを強く揺さぶって傷害を負わせた」として、親が逮捕されるというニュースが相次いでいます。こうした報道に触れるたび、『生まれて間もない我が子に手を上げるなんて、なんてひどい親なんだろう!』と怒りを覚えている人も多いのではないでしょうか。著者の柳原三佳氏も、メディアから流される「虐待」という言葉に、何の疑いもなく憤りを覚え、なぜこんなことが頻繁に起こるのだろうとやりきれなさを感じていた一人でした。
しかし、その考えは、当事者、つまり「虐待を疑われた親たち」への取材をきっかけに大きく変わったといいます。
日々の子育ては緊張の連続です。どれだけ気をつけていても、ほんの一瞬、目を離したすきに、つかまり立ちから転倒してしまったり、ベビーベッドから落ちてしまったり、そうした事故は防ぎきれません。しかし、そんな「不慮の事故」による子どものケガについて、脳の専門家の視点で調べることなく、自動的に「揺さぶられっ子症候群」だと判断し、「親による虐待」だとレッテルが貼られてしまう――こんな、でっちあげのような事件が立て続けに起きているのです。
最愛の我が子が脳に障害を負うという苦しみのなか、一方的に虐待を疑われ、子どもと引き離されてしまった親たちの過酷な体験をレポートしながら、医師だけでなく、法律家の見解も取り上げ、揺さぶられっ子症候群の現状と問題について考えます。
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