内容紹介
裸は適応的な進化だったはずはない――。では、ヒト科ではただ一種だけの例外的な形質、生存のためには圧倒的に不利な裸化は、なぜ、そしていつ起こったのか。一方で、ハダカデバネズミ、ハダカオヒキコウモリなど、ごく少数の裸小型哺乳動物は、それぞれが独特の生態を持つ。では、人類が生きのびるための術とは? 自然淘汰説や人類海中起原説などの説を検討し、遺伝学・生物学などを参照しつつ、現代人類の特質の起原を探る。
裸は適応的な進化だったはずはない――。では、ヒト科ではただ一種だけの例外的な形質、生存のためには圧倒的に不利な裸化は、なぜ起こったのか、そしてそれは人類誌のなかで、いつのことなのか。
一方で、ハダカデバネズミ、ハダカオヒキコウモリなど、同様にごく少数の裸小型哺乳動物は、それぞれが独特の生態を身につけるに到った。では、人類が獲得した、生きのびるための術とは?
ダーウィンの自然淘汰説や人類海中起原説などこれまでの説を批判的に検討し、遺伝学・生物学などの成果を参照しつつ、ホモ・サピエンスの特質の起原を探る。
目次
- 第一章 ヒトの裸の皮膚は自然淘汰では説明できない
- 第二章 ダーウィンは変だ
- 第三章 ダーウィンは裸の起原を解明できない
- 第四章 裸の獣
- 第五章特別な裸の獣たち
- 第六章 裸体化仮説
- 第七章 人類海中起原説
- 第八章 突然変異による裸の出現と不適者の生存
- 第九章 火と家と着物と
- 第十章 ネアンデルタールの家
- 第十一章 裸の人類はどこで、いつ出現したのか
- 第十二章 重複する不適形質を逆転する鍵は?
製品情報
製品名 | はだかの起原 不適者は生きのびる |
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著者名 | 著:島 泰三 |
発売日 | 2018年05月10日 |
価格 | 定価 : 本体1,250円(税別) |
ISBN | 978-4-06-511641-8 |
通巻番号 | 2497 |
判型 | A6 |
ページ数 | 304ページ |
シリーズ | 講談社学術文庫 |
初出 | 本書の原本は2004年に木楽舎から刊行されました。 |
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