内容紹介
俳優としてこれまでドラマ・映画に数多く出演したきたビートたけしは、金嬉老、3億円事件の犯人、大久保清、東条英機、田岡一雄、千石剛賢など、実にさまざまな実在する人物を演じてきた。そこでは、差別・暴力・宗教など、日本社会ではタブーとされがちなテーマが取り上げられている。そうした出演作品を軸に、現代社会の「欺瞞」、そして「ビートたけし」と「北野武」の「二面性」にも迫った、画期的論考!
差別・暴力・宗教・科学…
現代社会の「欺瞞」、そして「ビートたけし」と「北野武」の
「二面性」にも迫った、画期的論考!
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今年1月、「お笑いBIG3」の一人、ビートたけしが古希を迎えました。
もともと漫才師として出発した彼は、本名の北野武名義で
映画監督として活躍すると同時に、
俳優としてもドラマ・映画に多く出演し、存在感を示してきました。
そこでは、実在する著名人や現実に起こった社会的事件の当事者を
演じたことも少なくありません。
たとえば、1968年の出来事と出演したドラマを重ねると、こんな感じになります。
・2月、ビートたけし(A)が静岡県で暴力団員を殺害後、寸又峡の旅館に立て籠もる
・12月、ビートたけし(B)が東京・府中市で現金輸送車を乗っ取る
・なお、この強奪現場と塀を挟んで向こう側の府中刑務所には、強姦致傷事件でビートたけし(C)が服役していた
もちろん、実際には、(A)=金嬉老、(B)=3億円事件の犯人、(C)=大久保清
となるわけですが、これら以外にも、たけしは東条英機、田岡一雄、千石剛賢、
エホバの証人輸血拒否事件で死亡した男児の父親、豊田商事会長刺殺事件の
犯人など、実に多くの人物を演じてきました。
以上の作品では、宗教・暴力・差別など、日本の社会ではタブーとされがちな
テーマが取り上げられています。
そこで本書では、出演したドラマ・映画作品を補助線としつつ、
彼の半生や二面性について、戦後ニッポンの変容を重ね合わせながら論考します。
これまでにないたけし論、日本社会論として一気読み必至の一冊!
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◆本書のおもな内容◆
序 章 たけしの演じた人物で年表をつくってみた
第1章 母親の喪失――大久保清と北野武を分けたもの
第2章 差別と暴力――金嬉老・三億円事件・写真週刊誌
第3章 宗教と科学――イエスの方舟・エホバの証人・バイク事故
終 章 戦後ニッポンに内在する二面性と欺瞞
目次
- ◆序 章 たけしの演じた人物で年表をつくってみた
- たけしの育った風景を求めて/大石内蔵助から立川談志まで/伊丹十三が語った日欧の俳優の違い/たけし扮する人物は「似ていない?」/役柄の二面性と「振り子の理論」/「ビートたけし」と「北野武」 ほか
- ◆第1章 母親の喪失――大久保清と北野武を分けたもの
- たけし起用への反対意見/大久保母の「息子殺し」/たけし母の強い信念/たけしと大久保の差異/「おいらはよ」と言い始めたワケ//一億総中流社会のなかで/二人のコンプレックス ほか
- ◆第2章 差別と暴力――金嬉老・三億円事件・写真週刊誌
- 自ら望んだ役/「川向こう」と呼ばれて/差別に対する考え方/金嬉老からの手紙/三億円事件が起きた日/内田裕也も怖気立った凶行シーン/写真週刊誌ブームとその終焉/活動自粛中に得たもの ほか
- ◆第3章 宗教と科学――イエスの方舟・エホバの証人・バイク事故
- 「おまえらの面倒は一生見る」/千石のおっさんはオレに似ている/ラジオで“教祖”にまつりあげられる/人間は信仰のために死にもする/自らの意志で手術を拒否したたけし/麻原彰晃との対談 ほか
- ◆終 章 戦後ニッポンに内在する二面性と欺瞞
- 病床で口にしたある人物の名前/新宿で二人はすれ違ったのか?/日本人に見出した「諦観の念」/戦後日本の二面性と欺瞞/西田敏行とビートたけし/「堤清二」と「辻井喬」/「ビートたけし」「北野武」以外の「三番目の人格」/お笑いBIG3は幸せか ほか
製品情報
製品名 | ビートたけしと北野武 |
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著者名 | 著:近藤 正高 |
発売日 | 2017年03月15日 |
価格 | 定価 : 本体800円(税別) |
ISBN | 978-4-06-288417-4 |
通巻番号 | 2417 |
判型 | 新書 |
ページ数 | 228ページ |
シリーズ | 講談社現代新書 |
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