「マイル 極貧からCAへ芸能界へ、階段をのぼる私」既刊・関連作品一覧

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マイル 極貧からCAへ芸能界へ、階段をのぼる私

極貧の家庭、苛烈な虐待、そして児童養護施設へ――。小学5年生から高校3年生まで施設で過ごした著者・松尾知枝。今、自分を支えてきた日記を改めて開き、生きてきた軌跡を振り返る。失われた家族の絆を取り戻すため、貧乏女子大生からJALのCAに、そしてタレントに転身。はたして知枝は何を手に入れ、何を失ったのか――。感動の手記!


なんで私の家は貧しくて、毎日同じ服を着させられていたの。
お母さん、なんで私の髪の毛を引っ張るの。
お父さん、なんで私を養護施設に預けるの。
お母さんの作ったお弁当を一度でいいから食べてみたかったよ。
私も普通の子と同じように甘えたり、叱られたり旅行に連れて行ってもらいたかったよ……。

水道ガスが止まりがちなほどの貧しい家で育てられ、母の病気も悪化したため、幼少時代から18歳まで児童養護施設で過ごした少女・知枝。

「神様は乗り越えられない試練はお与えにならない」
シスターに言われたこの言葉を支えに、知枝は暴力・イジメの横行する環境を一人生き抜きます。そして薬物依存などの非行に走る児童が多いなか、ひとり日記に未来の希望を綴り、施設から初の大学進学者となります。

学費を稼ぐためにアルバイトを掛け持ちする日々から、JALのCAを受験。無名大学から採用倍率100倍のCA試験に合格。

人もうらやむ職場だったのに辞し、27歳でタレントに転身。この世界ではオバサン年齢である知枝は、その状況を逆手に取り、「合コンタレント」というニッチな市場に活路を見出して芸能界を生き延びていきます。そして30歳にして起業、多くの女性をより輝かせるため「ブランディング」を説く企業経営者となっていきます。

なぜ知枝は、そこまで前へ前へと進むことができたのでしょう。
「ココハ、ワタシノイバショデハナイ」
という思いから、自分を虐待したけれど、それでもかけがえのない「家族」との絆を回復させることが自分の戦いの目的だ、そう気付いたからです。
本書は、知枝の軌跡を描くことで、読者に「試練を乗り越える力」を与える一書になると考えます。