内容紹介
皇帝と天子 中華と夷狄「大一統」
中国史を貫く“統治と権力”の思想構造
儒教が「国教」となったのはいつか。皇帝と天子は同じものか。曹操はなぜ文学を称揚したか。諸葛亮は何を守ろうとしたのか。「竹林の七賢」は何に抵抗したか。国家の正統性を主張し、統治制度や世界観の裏づけとなる「正統思想」の位置に儒教が上り、その思想内容が変転していく様を、体系性と神秘思想の鄭玄、合理性と現実主義の王粛、光武帝、王もう、曹操や諸葛亮など、多彩な人物を軸にして、「漢」の成立と衰退、三国、魏晉時代の歴史を交えながら描き出す。
目次
- 序章 二千年の正統思想
- 第1章 権力に擦り寄る儒者
- 第2章 中国の原基
- 第3章 後漢の衰退と聖漢へのまなざし
- 第4章 時務を知る――『三国志』の時代と儒教
- 第5章 曲学阿世――抵抗する竹林の七賢
- 第6章 「儒教国家」の再編と限界
- 終章 「古典中国」と2つの「儒教国家」
製品情報
製品名 | 儒教と中国 「二千年の正統思想」の起源 |
---|---|
著者名 | 著:渡邉 義浩 |
発売日 | 2010年10月09日 |
価格 | 定価 : 本体1,600円(税別) |
ISBN | 978-4-06-258482-1 |
通巻番号 | 481 |
判型 | 四六 |
ページ数 | 268ページ |
シリーズ | 講談社選書メチエ |
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