内容紹介
<魂の原日本>を求めて縄文へと遡る思考の旅
日本という国家が誕生したとき、闇へと埋葬された「石の神」とは?
芸能、技術、哲学の創造を司る霊妙な空間の水脈をたどる。
柳田国男『石上問答』の新たな発展がここにある!
宿神の秘密を明かす奇跡の書 金春禅竹『明宿集』現代語訳も収録!!
日本人の精神史をくつがえす!
私はこの本で、思考する行為に「後戸」の空間にみなぎる霊力を注ぎ込むことによって、私たちの生きる世界からすっかり見えなくなってしまった「創造の空間」への通路を、あらためて開削しようとする試みにとりくんだ。この世界のいたるところに「後戸」をつくりだすこと。私たちの心の内部に凍結され眠らされている潜在能力の耳元で、目覚まし時計のように激しい励起の鈴を鳴り響かせ、そこにもういちど生き生きとした「創造の空間」を立ち上がらせてみたいというのが、この本を書いた私の願いなのだ。
この本を読み終えた方は、これまで語られてきた「日本人の精神史」というものが、根底からくつがえされていく光景をまのあたりにすることだろう。石の神、シャグジの発する不思議な波動にはじめて接して以来何十年もの歳月をへて、ようやく私の学問はその波動の発する宇宙的メッセージに接近し、それを解読していく方法に近づくことができたような気がする。(プロローグより)
製品情報
製品名 | 精霊の王 |
---|---|
著者名 | 著:中沢 新一 |
発売日 | 2003年11月21日 |
価格 | 定価 : 本体2,300円(税別) |
ISBN | 978-4-06-211850-7 |
判型 | 四六変型 |
ページ数 | 388ページ |
初出 | ’02年1月号~4月号、6月号~8月号、10月号~12月号、’03年2月号~3月号まで、12回にわたり「哲学の後戸」として連載されたものを、改題、改稿。 |
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