内容紹介
常に斬新な批評を展開する著者が“風景”と呼ぶ微妙な位相。村上春樹の小説を中心に「まさか」と「やれやれ」論、坂口安吾、田中角栄、北一輝に共通性を見る「新潟の三角形」、“ディスカバー・ジャパン”と国木田独歩、志賀重昂を対比する「武蔵野の消滅」ほか、三島由紀夫、深沢七郎、吉本ばなな、大島弓子等、時代をとりまく日本的文化現象に焦点をあてた独創の8篇。著者の批評の資質と方向を示す初期評論集。
目次
- 「まさか」と「やれやれ」
- 一九五九年の結婚
- 新潟の三角形
- 武蔵野の消滅
- 「大」・「新」・「高」
- 風景の影
- I 水銀柱の上の空白
- II ポンペイの透明人間
- 著者から読者へ