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新・中華街

近年、池袋駅北口に出現した「池袋チャイナタウン」は、中国料理店や食材店だけでなく、危険ドラッグの販売店などもあることから、物議をかもしている。しかし、こうした「新しいタイプのチャイナタウン」は、東京だけでなく、世界中に増えているのだ。1978年に始まる中国の「改革開放路線」以降、新たに海外に出ていった中国人、すなわち「新華僑」によって形成されてきたチャイナタウンを、本書では「新・中華街」と呼び、その実態を世界中に訪ね歩く。
チャイナタウンは、単なる「中国料理と中国食材の街」ではない。そこは、さまざまな事情と思いを抱えて海外に飛び出した華人たちが、新たな挑戦をする舞台であり、足掛かりである。アメリカ、カナダはもちろん、ロンドン、パリ、さらにイタリアや東欧諸国でも、「食文化」を有力な武器として現地社会に溶けこみ、地縁・血縁を絆とした強いコミュニティををつくりあげる華人社会がある。
本書はさらに、そうした新華僑を大量に送り出している中国の町=僑郷のいくつかをフィールドワークし、同郷・同族のパイプと、帰郷した「元・華僑」たちの暮らしも描き出す。
なぜ、日本人街や韓国人街、イタリア人街は世界中に広がらないのか? 華人社会の海外における「強さ」の秘密とは? 異色の地理学者によるフィールドワークの成果。