貧しい浪人生活から儒者、歴史家としてようやく甲府藩に認められた新井白石は、網吉の死後、六代将軍家宣となった藩主とともに天下の経営に乗り出していく。和漢の学に精通し、幕政改革の理想に燃える白石を待ち受ける厚い壁。偉大な人物を人間的に描いて新しい光を当てた長編歴史小説力作。