日本論 文字と言葉がつくった国

講談社選書メチエ
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日本論 文字と言葉がつくった国
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内容紹介

 この世に日本語と呼べるようなひとつの言語がまずあって、その外側に、これを表記する道具としての文字として、漢字があり、ひらがながあり、カタカナがある――といった考えかた。これが大まちがいだと著者は言います。
 それでは、ほんとうはどうだったか。「日本語」というのはなかった。実際にあるのは、漢字語とひらがな語とカタカナ語。三つの言葉があって、これらが入り混じった言語をわれわれは、大まかに日本語と呼んでいるにすぎない。こう考えれば、漢字語がなくならないかぎり漢字はなくなることはなく、ひらがな語がなくならないかぎりひらがなはなくならない。カタカナ語がなくならないかぎりカタカナはなくならない。だから漢字も、ひらがなも、カタカナも、そのまま生きつづけて現在にいたっている。そのしくみがよくわかるはずだというのです。
「日本語」があって、それを漢字・ひらがな・カタカナで「書く」ということと、「日本語」はなく、あるのは漢字語とひらがな語とカタカナ語、この混合物を「日本語」と呼んでいる、というふうに考えることとの違い、この飛躍はなかなかむずかしい。同じことではないかと一般には考えられてしまいそうですが、ほんとうに、なるほどわかったというふうに腑に落ちると、ものを見る見かたがガラッと変わって、いろんなものが今までと違うかたちで見えてきます。
 世界にも希な漢字仮名交じり文という表記法を有し、その下で文化を発展させてきたわれわれの意識構造には何が刻みこまれているのか、変えることはできるのか……。少なくとも、われわれがいかなる存在であるかを認識することはできるはず。「文字と言葉」という観点から和辻哲郎『風土』、九鬼周造『「いき」の構造』、新渡戸稲造『武士道』、鈴木大拙『日本的霊性』、土居健郎『[「甘え」の構造』、ベネディクト『菊と刀』、中根千枝『タテ社会の人間関係』などの日本文化論の名著といわれる書物を読みなおすとき、思いがけない「この国のかたち」が見えてきます。

目次

  • 第一章 国語と文字
  • 第二章 二重構造と雑種性
  • 第三章 分かち書きが示すもの
  • 第四章 花鳥風月と女手
  • 第五章 武士道と禅
  • 第六章 恥と甘えと天皇制

製品情報

製品名 日本論 文字と言葉がつくった国
著者名 著:石川 九楊
発売日 2017年10月11日
価格 定価 : 本体1,500円(税別)
ISBN 978-4-06-258656-6
判型 四六
ページ数 208ページ
シリーズ 講談社選書メチエ

著者紹介

著:石川 九楊(イシカワ キュウヨウ)

石川九楊(いしかわ・きゅうよう)

1945年福井県生まれ。京都大学法学部卒業。書家。「石川九楊研究室」代表。前京都精華大学教授(現客員教員)。代表作に『歎異抄』(二十一連作)、『源氏物語書巻 五十五帖』『9・11シリーズ』『3・11シリーズ』など。
1990年『書の終焉─近代書史論』(同朋舎出版)でサントリー学芸賞受賞。2002年に『日本書史』(名古屋大学出版会)で毎日出版文化賞、2009年には『近代書史』(名古屋大学出版会)で大佛次郎賞を受賞。「書は筆蝕の芸術である」こと、「日本は二重言語国家であること」を解き明かし、評論家としても活躍。著書多数。

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