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「幸福な日本」の経済学

非正規雇用者増加、未婚率上昇、格差拡大などの現象が顕著となり、「人並み」の生活を送るのが難しい「貧困」が広がっている。日本は何故ここまで行き詰まったのか。一方にある生活満足度が下がっていないという奇妙な現実。新自由主義の失敗を乗り越え、経済・財政・社会状況を打開する道はあるのか。目指すべきwelfare(福祉)とwell-being(幸福)達成への方策を考察する。


「失われた二〇年」は、やがて三〇年になろうとしている。その間、非正規雇用者増加、未婚率上昇、格差拡大などの現象が顕著となり、「人並み」の生活を送るのが難しい「貧困」が広がっている。
一方で、若者たちの「幸福感」はこの二○年以上高止まりしているという、意識調査に表れる奇妙な結果。
日本は何故ここまで行き詰まったのか。「幸福感」とのズレの理由は何か。そして経済・財政・社会状況を打開する道はあるのか。
目指すべきwelfare(福祉)とwell-being(幸福)達成への方策を考察する。

【目次】
第1章 幸福な社会とは?
  個人の幸福――二つの国際比較調査/GDPと幸福/奇妙な事実/
  何が「幸福」をもたらすのか/幸福の社会的側面/福祉国家の根拠/「自由」と社会的存在 第2章 不平等な社会
  貧困と格差の実態/ピケティの衝撃/資産格差/雇用の現場で/日本の場合/
  世代間格差/「シルバー民主主義」/「グローバル化」と格差
第3章 何のための経済成長か
  新自由主義革命/戦後資本主義の終焉/ITと金融業/「金融化」と「グローバル化」/
  バブル崩壊後の日本/経済成長の倫理的根拠/経済成長の内実/
  経済成長と「幸福」な社会/ミルとケインズ/環境への負荷はどうなるか?
第4章 「大きな政府」は避けられない
  「大きな政府」への反感/日本は「大きな政府」か?/政府債務に問題はないか/
  どのような税制が好ましいか/累進課税について/金融所得と資産税/消費税
第5章 さらに、どうすればよいか
  市場への介入は悪か/社会保障改革/ベーシックインカム/
  日本型福祉国家の進路は?/最後に