「名探偵の掟」既刊・関連作品一覧
’97年版『このミステリーがすごい!』第3位 密室トリック、首なし死体、消えた凶器……快刀乱麻の名探偵・天下一が挑む難事件。 「これぞ天下一、変幼自在の快作」 『密室宣言』を読み、手を拍(う)って以来のファンである。小林秀雄はいった、谷崎においてはマゾヒズムが(ついにもののあはれにまで到達した)と。本格推理の自虐趣味が、この『天下一シリーズ』では<をかし>の領域に行き着いた。コピーして人にも読ませたい。しかし、日本中に配るだけのコピーはとれない。それが難点だった。こうしてまとめられたのが、実に嬉しい。――北村薫