「墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便」既刊・関連作品一覧

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墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便

遺体は何かを語りかけてきた……
520人、全遺体の身元確認までの127日を最前線で捜査にあたった責任者が切々と語る!人間の極限の悲しみの記録。

私は、愛する肉親を失った数千人の遺族の究極の悲しみの場に立ち会った。
どれもが、私の記憶の奥底に永遠に封じこめておきたい凄惨(せいさん)な情景である。できることならあの夏の出来事だけは私の記憶からすべて消し去りたいと思う。でも夏が近づくとあの情景が、もぞもぞと這(は)いだしてくる。忘れようにも、忘れられるものではないのである。それならば、今年はあの遺体確認捜査の責任者として1つの節目をつける年でもあると思った。
それは、夏から冬に至る127日間にわたる身元確認作業の中で、とくに藤岡市内の3つの体育館の中で行われた、47日間の実録を記すことであった。(中略)
遺族の極限の悲しみが集約された体育館の中で、各々の職業意識を越えて、同じ思いで同化していった1つの集団の記録を決して風化させてはならないと考えて本書を執筆した。――「はじめに」より抜粋