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行きゆきて峠あり

江戸昌平黌(しょうへいこう)の卒業試験に落ちた榎本釜次郎は、彼を見込む箱館奉公・堀織部正に随(したが)って北海道を知り、また長崎で海軍の技術を習得する。オランダ留学も果たし海軍副総裁となった榎本だったが、倒幕の流れは洋々たる前途を一気に押し流す。「男」を描いて定評ある著者が辿る幕末の異才・榎本武揚の運命。