「山城むつみ ドストエフスキー」既刊・関連作品一覧
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ドストエフスキー世界の主人公たちの不同意が生み出す異和(ラズノグラーシエ)を切り口に、衝撃の文学の源泉に迫る! ドストエフスキー論の新たな金字塔!
文学史上最大の衝撃、ドストエフスキーとは何なのか?
気鋭の批評家が切りひらくドストエフスキー論の新たな地平。
ドストエフスキーの、いわゆる地下室的主人公たちは、ことさらに他者に対して天の邪鬼に反対し不同意を突きつけているように見える。しかし、彼らは、ほんとうは他者の言葉に強く引かれそれに自分の声を合わせたいのだ。ただ、それに声を合わせようとしてどうしても合わせることができないとき、協和と同意の合致点からのその微小なズレには激しい斥力を持つ異和が生じる。それは反論や不同意が産み出す反撥と似て全く非なるものだ。のみならず、そのような反撥よりもはるかに強烈な不協和、憤激を呼び起こすのである。本書は、そのような異和を、反論と不同意から生じる反撥と区別して「ラズノグラーシエ」と呼び、この強い斥力こそがドストエフスキーの世界の主な動力になっていると考えている。――<「まえがき」より>
第65回毎日出版文化賞[文学・芸術部門]受賞。
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