内容紹介
同じ言葉でも誰がどんな状況で語るかで、その意味は異なり、ときに正反対に受け取れる。このラズノグラーシエ=異和こそがドストエフスーを読む鍵となる。登場人物は対話の中で絶えず異和と不協和に晒され、そのダイナミズムが読む者を強烈に惹きつけるのだ。批評家バフチンを起点に、しかし著者単独で小説内部に分け入り、文学的核心を精緻に照射する。ドストエフスキー論史の転換点を成す衝撃的論考。
目次
- まえがき
- 序 章 ラズノグラーシエ──二葉亭四迷とバフチン
- 第一章 黄金時代の太陽──『悪霊』
- 第二章 ソーニャの眼──『罪と罰』
- 第三章 マリヤの遺体とおとなしい女──『作家の日記』
- 第四章 写真の中の死、復活、その臭い──『白痴』
- 第五章 逆遠近法的切り返し──『未成年』
- 第六章 カラマーゾフのこどもたち──『カラマーゾフの兄弟』
- 参考文献
- 単行本あとがき
- 著者から読者へ
- 年譜
- 著書目録
製品情報
製品名 | ドストエフスキー |
---|---|
著者名 | 著:山城 むつみ |
発売日 | 2015年12月11日 |
価格 | 定価:2,750円(本体2,500円) |
ISBN | 978-4-06-290296-0 |
判型 | A6 |
ページ数 | 664ページ |
シリーズ | 講談社文芸文庫 |
初出 | 「ドストエフスキー〔1〕」…『文學界』2004年2月号(序章)、「ドストエフスキー〔2〕」…『文學界』2004年7月号(第一章)、「ドストエフスキー〔3〕」…『文學界』2005年12月号(第二章)、「ドストエフスキー〔4〕」…『文學界』2007年3月号(第三章)、「ドストエフスキー〔4〕承前」…『文學界』2007年4月号(第三章)、「ドストエフスキー『白痴』について」…『群像』2008年8月号(第四章)、「ドストエフスキー『未成年』の切り返し」…『群像』2009年4月号(第五章)、「カラマーゾフのこどもたち」…『群像』2010年7月号(第六章)。 ※本書は2010年11月刊行の単行本『ドストエフスキー』(講談社)を底本としました。 |
おすすめの本
-
電子あり
鬼子の歌 偏愛音楽的日本近現代史
-
電子あり
寺田寅彦セレクション1
-
電子あり
レンマ学
-
電子あり
新撰 小倉百人一首
-
電子あり
乱歩と正史 人はなぜ死の夢を見るのか
-
電子あり
異邦の香り ネルヴァル『東方紀行』論
-
電子あり
テクストから遠く離れて
-
電子あり
ハロー、ユーラシア 21世紀「中華」圏の政治思想
-
電子あり
感触的昭和文壇史
-
電子あり
それを小説と呼ぶ
-
電子あり
愚行の賦
-
山内マリコの美術館は一人で行く派展 ART COLUMN EXHIBITION 2013-2019