「生態学からみた野生生物の保護と法律 生物多様性保全のために」既刊・関連作品一覧

生態学からみた野生生物の保護と法律 生物多様性保全のために

野生生物種の絶滅を回避しようとする際、絶滅原因を抑止する機能を備えた実効的な法制度が求められる。すなわち、採取・捕獲の制御およびそれを効果的に実施するための譲渡規制、生息地に対する人為的攪乱の規制、生息地のネットワーク化、外来種の排除または制御、化学物質の排出規制および清浄化、疾病の監視と制御、などである。
また、こうした原因が直接の脅威となっていなくても、繁殖可能な集団の個体数が一定数を下回ると、環境の変化や遺伝的なゆらぎによっても絶滅は引き起こされてしまう。したがって、求められる法制度では、個体数の監視とともに、必要に応じて個体数を回復させる手段をもたなければならない。