戦争の中に平和があり、平和の中に戦争があった――。
昭和を知ると〈いま〉がわかる。第一人者が一人で描いた決定版通史!
グローバル化、格差拡大、揺らぐデモクラシー――、現代日本の課題は、すでに戦前昭和にあった!
戦前=戦争とファシズム、戦後=平和と民主主義の図式ではわからない、昭和の実像とは?
近現代100年を、過酷な状況のなか懸命に生きた人びとの群像劇で描写する、昭和年代記!
〔本書の内容〕
1章 平和のなかの戦争の予兆 一九二六~一九二九年
昭和改元の裏側/朴烈怪写真事件の波紋/モボ・モガと「細民」たち/第一回男子普通選挙と無産政党/世界大恐慌と金解禁
2章 非常時小康 一九三〇~一九三六年
柳条湖事件の謀略/五・一五事件後の退潮/電化生活と中央線沿線のインテリたち/中学生が見た二・二六事件
3章 戦争をめぐる理想と現実 一九三七~一九四〇年
華北分離工作という転換点/日中戦争と召集令状/経済学者の文化工作/軍票の現実/戦時下の福祉政策/失われた「東亜共同体」の理想
4章 戦争と平和の間 一九四一~一九四四年
中内功の夢/配給制度と「上流婦人」/等しく貧しい「新しい生活様式」/ルソン島での無意味な戦闘/敗戦前に回し読みされていた本
5章 国際冷戦と国内冷戦 一九四五~一九五二年
ポツダム宣言の受諾/傀儡政権の末路/人民裁判の悪夢/吉田茂の平和主義/国内冷戦を警戒する昭和天皇
6章 高度経済成長下の戦争 一九五三~一九七〇年
〈革命〉をめざす学生たち/自衛隊幹部の現実主義/大衆消費社会とテレビ/オリンピックと戦争体験/連合赤軍事件とあさま山荘事件
7章 ヴァーチャルな戦争 一九七一~一九八九年
松任谷由実と基地文化/日中国交正常化/六〇年代の子供たちとしての村上春樹/日米経済摩擦という「戦争」/大東亜レジャー圏
8章 終わらない戦争 一九九〇~二〇二五年
湾岸戦争と「絶対的平和主義」/「創憲」論への批判/中国と沖縄への訪問/「失われた三〇年」の始まり/平和国家の再構築
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