内容紹介
恋愛、友情、自尊心――人間の欲望の行き着く先は、グロテスクでブラックで愛おしい!主人公の奈美は、孝一と虹子という夫婦と親しくしている。しかし、孝一が出張中の雨の日を境に、三人の関係は歪み始める。川端賞受賞作「生鮮てるてる坊主」や“珠玉”という惹句に取り憑かれてた作家・夏耳漱子。やがて頭の中で珠玉たちが地位向上と種の保存を騒ぎ出し……!? 表題作「珠玉の短編」など、短篇小説の名手が贈る11編の絶品。
恋愛、友情、自尊心――人間の欲望の行き着く先は、グロテスクでブラックで愛おしい!
主人公の奈美はある夫婦と親しくしているが、その妻の虹子よりも、夫の孝一の方に深い友情を感じている。奈美と孝一は、頼りなく不安定な虹子の面倒をみているつもりだ。虹子にまつわる問題を二人で解決することで、二人の親密度は増していく。しかし、孝一の出張中の雨の日を境に、三人の関係は歪み始める。友情と肉体関係――そして今まで見ていた世界は、音をたてて崩れていく。川端賞受賞作「生鮮てるてる坊主」
神戸美子は幼い頃からありとあらゆる悪意を一身に受けてきた。中学の時、積年の恨みは念となりついに同級生の男子を襲う。世にも稀な復讐の才能を手に入れた美子は、教祖と信者を兼任するひとり宗教「みこちゃん教」を設立するが……。「自分教」
スプラッタ描写に定評がある作家・夏耳漱子は、自作に最も似つかわしくないはずの「珠玉」という惹句に取り憑かれてしまった。やがて頭の中で珠玉たちが地位向上と種の保存を騒ぎ出して…!? 表題作「珠玉の短編」
短篇小説の名手が贈る、川端賞受賞作を収録した11編の絶品。
目次
- サヴァラン夫人
- 珠玉の短篇
- 箱入り娘
- 自分教
- 生鮮てるてる坊主
- 骨まで愛して・・みた
- 命の洗濯、屋
- 蛍雪時代
- 虫やしない
- 鍵と鍵穴
- 100万回殺したいハニー、スウィート ダーリン
- 言葉用重箱の隅つつき病――あとがきにかえて
製品情報
製品名 | 珠玉の短編 |
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著者名 | 著:山田 詠美 |
発売日 | 2018年06月14日 |
価格 | 定価 : 本体640円(税別) |
ISBN | 978-4-06-511832-0 |
判型 | A6 |
ページ数 | 288ページ |
シリーズ | 講談社文庫 |
初出 | 「サヴァラン夫人」…「文學界」2015年1月号、「珠玉の短編」…「新潮」2014年6月号、「箱入り娘」…「群像」2016年2月号、「自分教」…「群像」2015年1月号、「生鮮てるてる坊主」…「群像」2015年9月号、「骨まで愛して…みた」…「群像」2015年12月号、「命の洗濯、屋」…「群像」2015年7月号、「蛍雪時代」…「群像」2016年4月号、「鍵と鍵穴」…「新潮」2013年5月号、「100万回殺したいハニー、スウィート ダーリン」…「小説現代」2014年12月号。本書は、2016年6月に小社より刊行した単行本の文庫版です。 |