内容紹介
人類の今後を占ううえで、「人類の経験のすべてがつまっている」といわれる古代ローマ史ほど、参考になるものはない。小さな都市国家を強大化に導いた、「共和政ファシズム」の熱狂的エネルギー。猛将・ハンニバルが率いるカルタゴとの死闘。カエサルとアウグストゥスに始まる帝政。地中海はもちろん、ブリテン島から中東にいたる「世界帝国」の現出。そして、ローマ帝国が終焉を迎えた時、古代文明はどのように変貌していたのか。
講談社創業100周年記企画「興亡の世界史」の学術文庫版。大好評につき、第3期刊行スタート。
かつて、政治思想史家の丸山真男は「ローマ帝国の歴史には人類の経験のすべてがつまっている」と語ったという。21世紀の今も、人類の今後を占ううえで、古代ローマの興隆と衰退の歴史ほど参考になるものはないのである。
傲慢なエトルリア人の王を追放したイタリアの小さな都市国家ローマを強大化に導いた、元老院と民衆による「共和制」と、「ファシズム」を合体させた熱狂的エネルギー。猛将・ハンニバルが率いる最大のライバル・カルタゴとの死闘。カエサルとアウグストゥスに始まる帝政。地中海はもちろん、ブリテン島から中東にいたる「世界帝国」の現出。軍人皇帝が乱立する危機と不安の時代。そして、帝国の混乱と東西分裂…。本書では、多彩な人物とドラマに満ちた古代ローマの1000年史を、「古代の最終段階」に現れた世界帝国の興亡史ととらえ、アッシリアやアレクサンドロスに始まる「世界帝国の歴史」の中に位置づける。そして、ローマ帝国が終焉を迎えた時、古代文明はどのように変貌していたのか。
多神教世界から一神教世界への転換、新しい時代へ向かう人間の営み――たんに「衰退」「没落」と言い切れない「古代末期」という時代の可能性を見出しつつ、ローマ帝国史の現代人にとっての意味と、それを知る楽しみを考える。
原本:『興亡の世界史04 地中海世界とローマ帝国』講談社 2007年刊
目次
- まえがき
- 第一章 前一四六年の地中海世界
- 第二章 世界帝国の原像を求めて
- 第三章 イタリアの覇者ローマ S・P・Q・R
- 第四章 ハンニバルに鍛えられた人々
- 第五章 地中海の覇者
- 第六章 帝政ローマの平和
- 第七章 多神教世界帝国の出現
- 第八章 混迷と不安の世紀
- 第九章 一神教世界への大転換
- 第十章 文明の変貌と帝国の終焉
- おわりに
- 年表
- 主要人物略伝
- 索引
製品情報
製品名 | 興亡の世界史 地中海世界とローマ帝国 |
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著者名 | 著:本村 凌二 |
発売日 | 2017年09月12日 |
価格 | 定価 : 本体1,360円(税別) |
ISBN | 978-4-06-292466-5 |
通巻番号 | 2466 |
判型 | A6 |
ページ数 | 400ページ |
シリーズ | 講談社学術文庫 |
初出 | 本書の原本は、2007年8月、「興亡の世界史」第04巻として小社より刊行されました。 |